2011/04/19

おいしい誕生日会 Les desserts de l'Auberge de l'Ill

誕生日をきっかけに母から嬉しいお誘いがありました。

それはアルザス唯一三ツ星レストランL'Auberge de l'Illでデザートを食べに行く誘い。
デザートのみいただけることができることなんて、初耳でした。



詳しく言いますと、レストランではなくホテルLes Berges de l'Illの方で食べることになりますが、レストランのシェフ・パティシエChristophe Fischer が作るレストランのデザートそのままです。



一つだけ気をつけないといけないことは、フィッシャー・シェフは15時ごろに勤務を終えますので、それに間に合うようにしないといけないことです。

私達はテラスで食べることを計画していましたので、月曜日から天気予報と毎日にらめっこして金曜日あたりに日曜日のための予約を入れました。

当日は風が強くて、またテーブルが日陰にあったので心配していましたが、日がすぐ進み、半そででもちっとも寒くなかったのです。

世話の行き届いているイル川の岸辺の庭は、なんと言っても居心地よかったのです。




















裏まで公園が延々と続き、珍しい花とハーブが植えてあるコーナーまで自由に散策に行けます。












デザートのことを忘れさせるぐらい、その空間に圧倒されますが、早く注文しないと、肝心なデザートが食べれなくなりますので、気をつけないと。














"La barre chocolatée aux poires caramélisées et aux noisettes, glace à la chicorée confite"

洋ナシのコンポートは底のついたチョコの「箱」に入っています。奥の4つのクリームが載っている薄焼きクッキー(シュトロセル生地?)は本当においしかったです。チョコのデコレーションに見えるのは、実はチョコ・キャラメルのチュイルです。シコレ(chicorée) のアイスクリームは炒りたての深い味がしていて賓のあるデザートにさせます。














母親が選んだデザート。チョコ尽くしの一品。次回はこれを注文します!







"Les chocolats grands crus en différentes textures"

そして季節の果物、定番のイチゴとルバーブの組み合わのデザート。ライムのシャーベットと凝縮されたシロップ(お皿に見える緑色の点)の存在感は大きかったですが、やはりこれぐらいの値段なら(どれも20ユーロ台)もう少しボリュームがほしかったかなあと、おやつを狙ってきた私は思いましたが、食事の締めくくりとしてのデザートならば、ちょうどいいかもしれません。







"Le feuille à feuille caramélisé aux fraies et compote de rhubarbe à la vanille de Tahiti, petit citron vert givré au soft ice"





叔母さんが選んだデザート。繊細で奇麗。


"Le doux baiser des îles, beignet de banane, gelée d'agrumes, planteur, glace coco et citron vert"



そして愛娘には、日本の重箱(一層のみ)に入ってきた果物のシャーベット。

もちろん写真を撮るまで待ちきれなくて弄りました・・・可愛い!




"L'assortiment de sorbets aux fruits "en Bentô""








復活祭のお菓子 Lamala

今週末はいよいよイースターです。子羊の形をした焼き菓子がどの店に見かけられるようになりました。




キリスト教では、子羊はアブラハムの息子イサクの代わりに犠牲になった動物です。一方、復活したイエスのシンポルでもあります。アルザス地方では復活祭のとき、アニョ・パスカル(復活祭の子羊)を作る習慣が根強く残っています。現地ではラマラー(ストラスブールあたりではレメレー)といいます。

ラマラーはきわめて素朴なスポンジ生地でできています。店によってはキルシュ酒やレモンの皮で香りをつけたりしています。クグロフと同じような陶器の型で焼きますので、焼きついた表面が少々厚くできるわけです。それこそがおいしいと思ってましたが、驚いたことに、焼き目の浅いほうが売れるそうです。もちろん店に出す前に粉砂糖をたっぷりかけます。

研修先の店では、製パンの職人が担当しています。





ラマラー型を準備する(バターを塗って、小麦粉をふる)のも大変ですが、オーブンに入れたり、出したりするのも一仕事。職人の技、ご覧ください。








型は年月の経つにつれて色づいてくるそうです。真っ黒のは25年以上のもの。

三脚しかないものもありますが、四つの脚のついている型の間に固定しますと、まだ使えます!













おいしい誕生日祝い


誕生日になっても嬉しくない齢になりましたが、親戚と友達からやさしいメッセージと心遣いが届くと心が少し和み、この不愉快な一日をなんとか乗り越えられるようになります。そもそも誕生日プレゼントは齢の数を一瞬忘れさせるために考えられたものではないかと思うぐらいですが、どうでしょうね。

今年は、日本から思いがけない小包が家に届きました。受け取ったときは、自分の誕生日とはすぐ関係づけなかったのですが、中身を見た瞬間に思い出しました。

日本で愛読していたおいしい雑誌。何度読み直しても飽きない雑誌ばかり。おかけで捨てられない雑誌の山、収納に大いに困ってます!





そして、とてもなじみのある包装紙。





はい、とらやさんのお菓子です。

フランスに出展した唯一の和菓子屋ではありますが、届いたのはパリ・とらやではなく、東京本店からの「最中」でした。こしあん・小倉・白餡と三種の最中を詰め合わせた箱。甘くてやさしい小豆餡とは数ヶ月ぶりの再会。わざと遅れて投稿したわけではありませんが、あと数個しか残っていません。今回はお裾わけできないかもしれません。残念!





いつものやさしい心配りにしびれます。恵まれている感じがします。

本当に、ありがとう。

またアルザスに遊びにきてね!

2011/04/15

お菓子の学校 製パンで勉強してきました。


先日は、一日製パンで勉強してきました。

ブランジュリーのラボでは大理石の作業台ではなく、生地にやさしい木製の作業台です。先生はフランスにしては珍しい、女の先生です。そのためか(?)製パンのラボはとにかく整理整頓かつとても清潔な気がしました。製菓のラボは汚いというわけじゃないですけど・・・、とにかく印象強かったです。
もちろん、製パンのラボにやってきたのは、ビエノワーズリー(viennoiseries) の練習のためでした。
先生は見習いの誰でも悩むビリオッシュ・ア・テットの成形を丁寧に指導してくれました。頭と胴体を完全に切り離して成形してもOKということですね。試験にでやすいビリオッシュ・ア・テットですが、失敗しにくい、私はこのやり方を採用するかもしれません。







そして予め用意してくれたブリオッシュ生地(ありがたい!)で様々な成形に挑戦。
イースタンによく作られるウサギのほかに、亀そしてカニとサソリの成形もみせていただきました。




















ブリオッシュ生地のほかに、クロワッサン生地の練習もしました。クロワッサン生地の場合は生地の仕込みからの復習。先生によって少しずつやり方が違って、勉強になります。

クロワッサン生地では、クロワッサンをつくらずパータ・クック(pâte à couques) として使いました。
多種多様な成形を紹介されているうちに思いつきましたが、つまりデーニッシュのことではないか。
家に帰ったら、写真は途中までしかなかったことに気がつきました。どうも作業にあまりにも夢中だったようです。





とにかく、一日製パンでたくさん勉強をしてきました。シルメール先生、お世話になりました!


2011/04/11

チョコの講習会へ行ってきました(コルマール市製パン・製菓職人協会にて)

職人業界に入ったおかげで、先日プロ向けの講習会へ声をかけられました。

イースタンを目前にしての講習会ですから、もちろんテーマはチョコ!

主催者はカカオ・パリ社で、コルマール市の製パン・製菓職人協会(Coopérative des boulangers- pâtissiers)の会場を借りて行われました。










講習者は1997年アイス部M.O.F.のブリュノ・コルディエ(Bruno CORDIER)でした。この日のためにわざわざオルレアンからやってくれました。後になってわかりましたが、かなりの睡眠不足で大変だったそうですが、講習会ではまったく表にださず、さすがプロだなと感心しました。





紹介された時はとにかく真剣な顔のコルディエさんでしたが、講習会が始まると、ユーモアに富んだ言葉を次から次へと発射しました。

最初の「レモンの話」が特に印象的でした。

「私がレモンだと考えてください。ここを出るまでに、私を完全にしぼりだすようにしてください。一滴も残らないようにしていただければと思います。」




講習会にはたくさんの職人、また私と同じく見習い職人が来ていました。驚いたことに女性は私を含めて2名でした。少々、心細かったです。

講習会の内容ですが、コルディエさんご自分の店に出すEntremetsを二つ紹介してくださいました。

一つ目はLE VALENCIAというヴェネズエラ産チョコのムース、コアントロ酒のムース、オレンジのマーマレード、小麦粉の入らないチョコのビスキュイの組み合わせ。



そして、豪華な仕上げのMARACUJA。チョコのムース(ビターチョコ(2/3) とミルクチョコ(1/3) をあわせたムース  )、パッションフルーツとバナナのムース(ゼラチンではなくミクリオ使用)、軽く炒めたあんず、チョコのビスキュイという構成のケーキ。





とても込み入ったプロセスのハート型のボンボン・ショコラを紹介してくれました。

下のモールドに見えるように三段階を踏まえて作るチョコです。まずは半分ぐらいをダークチョコで覆う(最終的にそれが白になる部分)。次は緑で反対側を染める。そして、ダークチョコを取り外して、白で染めて、ダークを元の位置に戻す。最後にもう一度白で塗るみたいです。

プロセスは少し大変ですが、オリジナルボンボンショコラが出来上がります。

(ちなみに、センターがライムのガナッシです。)






最後にさまざまなチョコのモンタージュ(montage)を披露してくれました。とにかく、イースタン商品にたくさんのヒントを。





驚いたことに、葉っぱのモールドには形のいい、生のキャベツを使えるらしいです。次にでてくる、亀が上にのっているのもそうだそうです。





























 親切に質問に答えるコルディエさん。




講習会終了後は、試食が会場の倉庫で用意され、交流会が行われました。






Le Valencia
写真をとったり話に夢中になったりして、肝心なチョコを味見し損なってしまいました。

オルレアンがもう少しアルザスに近ければいいのにね・・・

2011/04/05

東北日本大震災その後

3月11日に日本国内観測史上最大の地震が東北地方を中心に起きて、3週間になります。

津波にさらわれた街の痛々しい風景が毎日フランスのメディアに報道されていました。まるで東京大空襲の後のような荒れ果てた風景で、とても見ていられませんでした。

日本がいち早くこの危機を乗り越えますように、被害を受けた方々がいち早く普通の生活に戻られますようにお祈りしております。

情報までに、アルザスでも募金活動が始まりました。支援のためのイベントを様々行っていますので、近くにくお立ち寄りの方ご参加ください。また、フランスより寄付金をしたい方は、在ストラスブール日本国総領事館を通したほうが安全でしょう。詳細はこちらへ。