2012/04/26

ルレー・デセール協会のカクテル・パーティーへ行ってきました。



二週間前に驚きの招待状がきました。

それは、ルレー・デセール協会のカクテル・パーティーへのものでした。去年はニース市で行われましたが、今年は4月23日になんとアルザスのミュルーズ市で行われることになりました。正直に言いますと、当日は豪雨だったこともあって、あまり出かける気がしませんでしたが、一生一度の機会ということで、頑張って行ってきました。

ミュールズは 昔は産業、とくに織物と自動車産業が盛んな都市でした。今年のルレー・デセール協会のパーティーの会場もこの歴史を踏まえ、自動車博物館に付属したところで開催されました。

入り口から会場までは、まるで時間を遡るような細道。


















会場にたどり着くと、舞台まで気泡みたいな透明なナイロン製の玉の中を進む(いや、泳ぐ?)妖精たちがくるくると舞い上がっていました・・・。舞台の向こうに、パティシエの帽子がチラホラに見えていたので、まず場所は間違えていないと一安心しました。

  




 そして、舞台が完全に現れたら、すごい人物が現れました。絶対場所違いではありません!


ルレー・デセール会長カッセル氏、副会長を務めるピエール・エルメ氏、そしてその左側は確かに名誉会長バンバルトさん




ピエール・エルメー氏に見守れながら、アルザス出身のパティシエ6人のショーでした。とにかく、すごい人ごみで写真は斜めからしかとれませんでした。







 





会場の真ん中には、自動車をテーマにしたお菓子の豪華なピエス・モンテが並んでいました。
フェラリー、アウディー、ベンツ、ジャグアー・・・


















  




写真を撮っている有名な日本のパティシエの方、分かります?お店は現在京橋あたりです・・・




自動車レースの帽子をかぶってチームごとの記念写真。


 早く近くでビュッフェのお菓子をみたいなあと思っていました。境界線の綱をくぐったりしている会員のシェフたちをみて、とても羨ましかったです。






いくらズームしてもそれぞれのシェフの作品を綺麗に見ることができません・・・。










ピエス・モンテの飾り(車のパイプ?)もチョコでできています。




そうしたら、突然、家の人が言うには「とてもフランスらしいこと」が起きました。

ワインとサンドイッチのミニ・スナックが出回り始めてしばらくたつと、シェフたちに混じって家族やら友人が綱をくぐったりし始め、急に普通の人も一緒に入って行ってしまい、ピエス・モンテの回りはあっという間に人で埋まってしまいました。











 




 舞台では、そんなことが起きていることも予想せず、「待ち遠しい甘味ですが」、マカロン杯を授与したり、普通に進んでいました。ちなみに、アルザスチームがシトロン・パジリのマカロンで優勝。





シェフの一人と話したら、「デザートの前に出された小型サンドイッチの量がすくなくて、みんな、待ちきれなくてピエス・モンテを食べちゃったみたいですね。先を越されてしまったね。」と、笑っていました。確かに、飲み物ばっかり運ばれていましたが、勘違いがあって、みんなデザートのビュッフェへ行ったのでしょうか。

それでも、幻のルレーデセールのカクテル・パーティーのお菓子。惜しい。

とは言え、20分したら、それぞれのプチ・フールを載せたお盆を運ぶお姉さんたちがようやく出始めました。なんとか気分を改めて、お姉さんたちの出所を把握しながら、何種類か味見することができました。人並みじゃないデザートがいくつかありました。

やれやれ。

たどり着くまでもいろいろハプニングがあり、たどり着いてもハプニングが続きましたが、「世界一のパティシエ100人」(カッセル会長の言葉)の集まりはやはりすごかったです。




2012/04/16

アルザス菓子講習会でイースター菓子ラマラの実技を見学してきました。





先日、修学旅行をきっかけにアルザス旅行をした東京製菓学校の学生たちのために、アルザス菓子講習会が、ストラスブール近郊の職人養成センターで開かれました。

センターの指導者には製パンのフランス最優秀職人(M.O.F.)と製菓(アイス部)の最優秀職人がいます。ジュント・ブルツ氏とヴィアール氏。特別に共同実技を行っていただきました。

アルザス特集菓子をたくさん見せていただいた中に、季節菓子のラマラの実技がありました。





伝統的に、仮親(洗礼時の名づけ親、必要な時は実の親に代わって子供の面倒をみる)がイースターの祝いにきた甥や姪にプレゼントしていたお菓子だそうで、ガレットとベニエとは違ってイースターの数日にかけてにしかつくらないそうです。


生地はなんにも香り付けしない、極めて素朴なお菓子です。スポンジよりももったりとしたものなので、絞り袋を使って耳のところに入るように型に流します。


特別な陶製の型を使いますので、型の準備から焼き上げまで作業の流れをお楽しみください。



今年も復活祭が無事に終了しました。




今年もカーニバルに引き続き、復活祭が無事に行われました。
カーニバルの派手なパレードが3月の中旬まで続きました。子供たちも学校でわいわいと変装して町中を歩き回りました。

今年のカーニバルのテーマは・・・森だったそうです。

と言っても・・・長女の面は言われないとピンときませんでした。

長い行列を作ってわいわい歩く子供たち。



大人もわいわい。




途中ではしゃいだりして、大人は休むことがない。


木たちの集まり・・・。

そうして4月の第一週の週末に、子供にはサンタクロースと同じぐらい待ち遠しいイースターの野兎がチョコを持って訪れます。


今年は雨天のため、外でチョコを隠すことはできませんでしたので、家の中でなんとか隠しました。途中、下の子が合流してきて、「セクワサ?(コレナニ)」とか「あ!ママゴ!(=たまご)」と片言で大きな声で言いだし、とても危なかったですが、一応今年もぎりぎりセーフでした。


そして例年のごとく、おばあちゃんのうちへ行ったり、親戚の家へ行ったりして繰り返される「卵狩り」。チョコレートの消費に暮れる毎日がしばらく続きそうです・・・
















2012/04/01

職人養成センターの文化祭で 浅見欣則氏がアイス彫刻を

先週末、例年行われるストラスブール近郷エショ市職人養成センターの文化祭がありました。


エショ市の職人養成センターは製パン・製菓に関しては、アルザス全体学生数の半部がこの学校に通っている程で、アルザスの中で一番大きな製菓学校です。先生方のプロフィールもそうですが、製菓・製パンの設備はとても充実しています。


以前、フランスでのパティシエ教育制度に触れた際、お話しましたようにフランスではパティシエ(また、他の手工業にかかわる職種もそうですが)になるには「見習い制度」が一般的です。中学校卒業後、現場で「見習い」として働きながら、製菓学校(=職人養成センター)に月一週間通うという教育課程です。ちなみに、基本的な資格は見習い制度ですと、二年課程になり、二年目に試験を受けます。


毎年3月に、この職人養成センターは一日のオープン・デーを開催しています。一般の人にとって、さまざまな職業の内容を深く知るチャンスの他、めったに見ることができないイベントを見るチャンスでもあります。


今年は3月25日でした。

このセンターでは、製菓(アイス・クリーム、チョコ、飴細工部)と製パンのほか、加工肉・肉屋・惣菜屋部、家具製造部門、機械工部門、歯科技工部門、さらにパイプ・オルガン製造部門(国立センター)、工芸部門など多種多様にわたる分野が存在しています。

以前、自分自身が参加していたので、ブースで忙しくて何にも見学できませんでしたが、今回は見学のために行きました。パンとお菓子の作品がたくさん展示され、実技も盛りだくさんで、とても楽しいひと時を過ごしました。


学生と先生のパンの作品




イスターも近づいてきましたので、飾りやテーマに卵とウサギが多くなっていました。




抽選のチョコの作品。おかしいなあ・・・当たった気がしますが、まだ通知がきていません。












ロンドン・オリンピックも遠くはありません・・・。




そしてこのセンターにしか見ることができない・・・義歯と砂糖の技術の出会い。









このオープン・デーには必ず、と言っていい実技実演があります。

それはアイス彫刻です。

会場に着いたら、まずは「来てくれている」かどうかチェックに行きました。

やっぱり今年も来てくれました!





2006 年チョコレートのコンクール シャルル・プルスト杯で準優勝に輝き、去年始めての外国人としてMOFのコンクールのファイナリストになった、現在『キュブレー』でシェフ・パティシエを務めている浅見さん。

今年も素敵な彫刻に挑戦しました。




コンクールの時と比べて、今日の彫刻のサイズはとても小さいそうです。足から首までは、防水服で覆って、作業を進めています。何よりも、手速さ、そして楽しさが伝わりました。服にしか興味ない(困った)小学生の長女も完全に釘付けで、会場を出てもまたいきたいとせがまれました。



完成品です。





と言っても、まだ作業台の上に移さないといけません。ちょっと(見学者が)緊張する瞬間です。





ご覧になったように、ステンレスの作業台の上ではアイスはちゅるちゅる滑るから、最後に布巾でとめます。

散髪は、作業台に載せてからです。確かによく見えて、やりやすそうですね。






今年もなかなか楽しい彫刻ができましたね。残念ながら、部屋が少し暑くて彫刻の寿命時間は短いと予想されました。






見学者にやさしく応える浅見さん。




いろいろ話しているうち、出身地は・・・埼玉県の飯能ですって。

飯能市民の皆さん、

飯能市出身の方にフランスでこのように活躍されている方がいらっしゃることご存知でしょうか。