2011/03/25

カーニバルのお菓子 様々なベニエ (2)

アルザス地方菓子にはさらにベニエ二種類があります。他の地域にもあったりするでしょうが、ここでは方言でschankala(schenkele)(「ご婦人の太腿(cuisses de dame)」という意)とscharwa (断片)と言います。fingerle(小さな指の形という意)というのもあるそうですが、研修先では作りません。


シャンカラはアモーンドパウダーの入ったのが特徴。発酵生地ではなくベーキング・パウダーの入った生地です。あげるとふっくらと真ん中が少し膨らみ、ももらしい形になります。成型プロセスはこんな感じになります。揚げるまで冷蔵庫で保管ができて便利。







テーブルの上に転がすように成型したり、手に持ち上げて成型したり、人によって技が違いますが、両端をあまり細く伸ばさないことがポイント。揚げるときにひっくり返る原因になるらしい。

シュルワのほうは菱形に切ったシンプルな生地の中心に線を引いて穴をあげます。その穴から片っ端を通してねじる。メルヴェーユ(merveilles) 、またはビューニュ(bugne)という名がフランス一般の通称のようです。

出来上がった両種のベニエ。シャンガラはシナモン風味の砂糖、シュルワは粉糖にまぶして仕上げる。





2011/03/08

カーニバルのお菓子 様々なベニエ(beignets) (1)

今日はカーニバルです。

カトリック教会などの暦の中で、カー二パルとは四旬節に入る前に行われる祭りです。食事の節制と自粛の期間でもある四旬節に対して、カーニバルは逆に派手なパレードと祝宴を行い、節制の時期に入る前の最後の大騒ぎであると言えます。


そういったカーニバルに欠かせない食べ物の一つ、ベニエは油で揚げるこってりとしたお菓子。
と言っても、お菓子屋さんでは早いところではガレット・デ・ロワが去った途端(遅くて1月末)、ベニエを作り始めます。研修先ではベニエを作ってほとんど1ヶ月になります。

ベニエと言ったら、まず多分みんなが思い浮かべるのは、まん丸でむっちりとしたものです。地方によってはブール・ド・ベルリン(boule de Berlin)と読んだりします。

研修先ではベニエはまさに製パン部と製菓部の共同作業といえます。発酵生地(パート・ルヴェ、pâte levée)である生地はブランジェが用意し、朝は担当のパティシエがベニエをあげてフィーリングをし、粉砂糖をふって仕上げます。



















プレインのものもあれば、様々な味のベニエがあります。研修先ではこの種のベニエだけでも木苺ジャム、ブルーべりジャム、チョコレートなどなどなんと9種類までの種類を作っています。仕上げは型を使って違う模様をつけます。パティシエール(カスタード・クリームのこと)の入ったもの(チョコとプレーン、2種類ある)はさらにカップ紙に載せて区別をつけます。




















ベニエの時期になると、パティシエは本当に大変ですけど、売店の人も結構大変そうです。

コウノトリと鷺、仲良し






今日は仕事場に特別な訪問者がきました。






1980年代の初めにここアルザスに2組しか残っていなかったコウノトリは現在、実はよく見かけることができます。必ず「夫婦」で行動するコウノトリですが、今日は奥のほうに、鷺一羽もついてきました。





例の不審者が近づきますと、鷺が警報を発するかのように羽叩きます。





すると、コウノトリが後を追います。

















やはりコウノトリと鷺は仲良し?