2012/08/23

残暑お見舞い申し上げます。




大変ご無沙汰しておりますが、その後はいかがお過ごしでしょうか。


アルザスは7月は悪天候が続き、8月は打って変わっての猛暑になり、暮らしやすい日はとても少なかったのですが、皆様のところはいかがでしたでしょうか。


こちらは仕事と企画の立て込みもあって、(フランス人にしては)とても少ない夏休みで、たった10日の間アルザスを離れました。スペイン国境の近くカタロニヤ地方の海に面した家で贅沢な時間を過ごさせていただきました。朝起きてから夜寝るまで海の景色を楽しむことができるなんて初めてでしたが、気持ちが和む効果に驚きました。(そういう効果は子供たちまで及べばよかったのですが。)







観光地でもない小さな村でした。サーフィングの村として知られていて商店も最低限しかありませんでした。肉屋さんだけはちゃんとしたものは一軒あったのに、パン屋もお菓子屋もありませんでした。地元の人はどうやって生きていけるのかしらと思うぐらいですが、やはり冬は風が強いためそもそも地元の人は・・・あまりいないみたいです。


夏休み中は無理をしてお菓子を求めない、という鉄則派にしているのですが、お菓子の「か」の字を忘れたころ、ある郷土菓子に出くわしました。Villefranche Le Conflent という村の名物Tourteau d'Anisで、アニス・シードが入っているパンでもブリオッシュでもないリング型の菓子です。







写真をとることまでかなり鈍くなって、写真ではリングの型がほとんどわからなくてごめんない。元の形はこんな感じです→リンク

生地ですが、バターの入らないブリオッシュだそうです。確かに、上がけの砂糖がなければにんじんかズッキニーのスープと一緒にでも食べてみたいと思いましたが、そのままでザックリと手でちぎって皆で食べ始めたらあっという間にリング型が消えました。アニス・シードも大胆に入っていて、現在7歳の長女が言うように「大の大の大すきな」アルザスクッキーのアニス・ブレデレをついつい思い出し、縁を感じてしまいました。エレガントで爽やかな香りのアニス・シード。食用増進や消化不良など実に多くの治療効果があるそうですが、考えてみると、夏にまさにぴったりなおやつでした。