2012/05/11

パリのお菓子屋さんへ行ってきました。  フィリップ・コンティチーニ氏の店

少し前のことになりますが、パリへ行ってきました。

急に決まった旅で、お菓子めぐりが目的ではない旅行でしたが、「めぐらず」にいられませんでしたので、写真を載せたくなりました。







いつもと違って、今回の旅は欲張らずに「この二件だけ」みればいいというのがあったので、予定に入れ込むのは容易でした。

ありがたいことに、ホテルからの交通の便もよかったので、パリに着いた翌日の朝早くに出かけることにしました。パリのお菓子屋さんはアルザスと比べて開店時間が遅くて月曜日のほか週休があることがありますが、幸いにも行きたいお菓子屋は9時からの開店で、定休日が月曜日だけでした。

今回行ってみたかったのは、エルメ氏とよく比較されているピエール・コンティチー二氏の「夢のお菓子屋さん」=La pâtisserie des rêvesでした。(正確に言うと、製菓はパティシエ最優秀職人アンジェロ・ミュザ氏、マネージャーはイベント業界のティエリ・テシエ氏。)





実は、前回パリへ行った際にもはるばる足を運びましたが、 閉店間際だったこともあって、商品の売れきれのため、視察も味見もできませんでした。今回は開店して間もない時間でしたので、品ぞろいの問題はありませんでした。





朝食前だったせいか、目は右側のまずヴィエノワーズリー・コーナーに惹かれました。

まるで芸術品のように商品がディスプレーされているので、ついつい名画をみるような目でメロメロと商品の細かなところまで観察したくなります。どの商品もコンティチーニさんのパイ生地への愛情が垣間見られる気がしました。











そしてお菓子たち。
店の中心に、それぞれのお菓子が一つ一つ舞台に立たせられ、照明されていて、存在感がとても大きいです。


サントノレ



タルトシトロン



エクレア(コーヒー、チョコレート)



相変わらずお菓子に奮発してしまいました。一応、アルザスに持って帰る分も入っていましたが、ホテルに帰ってとても豪華な朝ごはんでした。



パッケージから・・・


・・・「滑り止め対策」までが可愛い『パティスリー・デ・レーヴ』。



タルト・タタン、タルト・ミルティユ



気になるところでしょうが、もちろん全品を平らげることはできませんでした。(ホテルの清掃のおばさんはきっと驚いたことでしょう・・・。)見かけはとても現代的なコンティチーニ氏のお菓子ですが、試食すると、味の基盤はしっかりとしたオーソドックスなフランス菓子だとすぐ感じられ、バターの濃厚な風味と柔らかさに和みます。

アルザスに帰ってコンティチーニさんの本(Sensations : 288 recettes de pâtisseries, Minerva, 2009)に読み耽りました。お店に出しているお菓子のほとんどすべてが紹介されています。不思議に思っていたタルトシトロンの仕上げのなぞが解けました(イタメレを覆ってからギターシートを敷き一気に上へ引っ張って、離します!)。自分の好みとマッチしているせいか、コンティチニーさんのナッツとプラリネへの思い、そしてサブレへのこだわりが伝わってきます。


サブレ。焙煎したアーモンドとノワゼットの粉末がかかっています。タルト・ミルティユの上にも、
そしてタルトシトロンの中にも深みのあるノワゼットの香りがシトロンと結合します。コンティチーニさんの手跡みたい。



今回は、季節もあって、フレッシュな果物の載ったタルトとお菓子はまだ置いてありませんでしたが、今頃は2012年の春コレクションのお菓子が並べられているようです。
(よ~くご覧ください・・・日本のロール・ケーキがついにフランスに上陸しました!!うれしい)

リンクの写真はサロン・ド・テでの記者会見のための試食会でした。残念なことに、サロン・ド・テはいけませんでした。パリのサロン・ド・テは、なぜか午後の2時から開くのが普通です。

地方からきている私にはとても不思議でなりません・・・。