2013/06/20

夢のお菓子工房 工事編(その2)


工 事はとりあえず、木の窓と扉をPVCの窓に取り替えることから始まりました。

フランスは、食品扱い空間には、基本的に(道具としても)「木製」はすべて だめになっています。木ベラはちゃんとした理由がないと使えません。まあ、窓・戸は食品接触対応のペンキで塗ってもOKだったみたいですが、取り替えるこ とにしました。






窓工事の次は、タイル工事。他の素材も「洗えるような外装」ならいいみたいですが、一番楽だと思って決定。

タイルの工事でなかなか苦労しました。

知 り合いを通して、「街の工房をたくさん作った」うわさの方に任せてしまったら、当日工事にはなんと・・・その方の弟さんが来ました!また工事の最中に、急 に二日も姿を消してしまって、三日にあえて電話してみたら、なんと「みんなインフルエンザにかかってしまって」とうそをつかれました。だって、インフルエ ンザなら道具を工事現場に取りにくるかよ、とキレる寸前でした・・・。(これも旦那様が言うには、とてもフランス人らしい態度ですが、またまたコメントし ません。)



工事材料は友人に助けてもらって選んだのですが、業務用材料屋さんのお姉さんに進められた、他のレストランで使われた滑り止めのタイルにしました。

お 姉さんのタイル、めちゃくちゃ滑り止めです・・・おかげで、夢のお菓子工房には、作業ではなく掃除が一番疲れる、箒をすべらせないぐらい滑り止めのタイル が付くことになりました。「滑り止め」の(法律的な)ニーズは、私の他に労働者がいる場合のみ、というのは後になってから分かりました。





壁をまっすぐせずにタイルをつけたため、作業台もうまく壁にくっつかなかったり、ちゃんとした機械がなかったため綺麗にきれていないタイルですが、工事のお兄さんたちがこの場を去ったとき、工事が終わったとき、ホッとしました。

これで、一番大変な山を越えたかと思ったわけです。
ところが、次は換気設備の問題がでてきました。

直 接に外につながるもので、汚れた空気の排気口が周り(隣)の窓・ドアからすくなくとも8メートルがないといけない、と衛生課が。それは衛生上の法律ではな く、住宅関係の法律ですが。それはいいのですが、急に、換気設備が完全にオーブンの正面扉を覆うような長さでないといけない、と言い出されて、てんてこ 舞。また、使おうと思った携帯用IHコンロはいつも換気扇の下でないといけない、と。すると、大分大きな換気扇が必要になります。2槽式の流し台にばかで かい換気扇に・・・作業台はどれぐらいになるのか、鮮やかなピンク色の夢から真っ黒の暗い地獄へ。

部屋が本当に狭い ので、市場(業務用の)にでまわっている換気扇だと、カバーがなんと工房の真ん中以上まででっぱることになるものばかりでした。しかし、業務用の風力でないといけな くて、長々と悩まされました。適切な機械、工事をやってくれる方を見つけるまで、何ヶ月かかったのか、覚えていないぐらいです。

そして、ある日(もちろん旦那様のいらっしゃわない日を選んで)、痛々しいことにマイホームの壁に穴を彫ることになりました。




それでも無理をお願いして最小の直径のものにしていただきました。






しかし、工事が始まるそのとき、もう一度震え上がってしまいました。

穴を彫るところを計って作業を進める工事業者を観察して、あえて聞いてみました。

- あれ、何で1メートルのところに印を付けられましたか?1、50メートルの換気扇ですから、75センチのところで掘るのではないですか?

- いや、換気扇は2メートルですよ!

- え?2メートルですか・・・


そのときは本当に、力が抜けました。
待 ちに待った(なかなか来てくれませんでした)工事でしたので、本場に言われてもなんにもいえなかったのです。やり取りがとても長くて複雑だったせいでしょ うが、私の勘違いだったのでしょうが。向こうはもちろん「いや、最初から2メートルの話でしたよ」と断固に。(これも、旦那様によると、とてもとてもフラ ンス人らしい態度だそうですが、引き続きコメントなしです。)

私はとにかくその場を去っておきました。そうしたら、数時間後には。






小さな夢のお菓子工房にばかでかい換気扇が付くようになりました!

(でも、とにかく工事は終わりました。)





水道と電気の設備はずっと前からしていただいたので、残っていたのは、天井のみででした。

それは友人が担当してくれて、2日もかかりませんでした!
























そして、照明が付くようになりました。

最後のペンキ塗りの仕事を担当いたしました。
しかし、食品接触対応のペンキって高いばかりか、とても塗りにくいです。






家とつながるドアは木製で本当は変えればいいのですが、スタンダード・サイズではないので、専用ペンキで塗り、完全にコーティングすることにしました。










































その後、機械や作業台が入りました。

そ のときにも・・・配達のとき、注文しなかったグラス張りの冷蔵庫がやってきました。いやだなあと、すぐ指摘したら、その方が高いですよ、同じ値段だったら それをもらっちゃったほうがいいのですよ、とうまい手を使ってで業務用設備の配達担当の人に騙されました。工房にはガラス張りなんて意味はないし、電気は ずっとついていて、やっぱりいやです。後に、同じ会社に相談したら、わざわざ注文のときの間違いではななく、冷蔵庫工場の間違いだったと、言われました。 客の私にとっては、結果はまったく同じでどうでもいいところですが。(この問答も、旦那様はとてもフランス人らしいといいますが、まったく賛成で す・・・)



そして、足掛け一年で、控え室やストック空間を後回しにし、ようやく完成しました。


ピッカピカの、夢のお菓子工房の出来上がり!





6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは!アルザスでお会いしましたドイツの優子です。偶然拝見しましたが、夢への大きな一歩を踏み出されたとのこと。素晴らしいですね!これから忙しくなることと思いますが、楽しんでください!ドイツから応援させていただきます。(美味しい和菓子が購入出来るのでしたら、足を伸ばします!)

YOHEI さんのコメント...

いよいよ完成しましたね。ピカピカの夢のお菓子工房!おめでとうございます!
あとはお菓子作りの腕次第ですね(笑)
アルザス小豆で炊いた正真正銘のアルザス餡を食べてみたいです。頑張ってくださ~い!

Mandarine さんのコメント...

YOHEIさん、コメントありがとうございます。本当ですね、後は腕次第ですね(笑)。加勢に来てくださいよ。いや、選べるなら、味見専用のYOHEIさんよりも和菓子のスタッフの方がいいなあと思います。よろしくお願いします!

Mandarine さんのコメント...

マイステリン・優子さん、いらっしゃいませ!そして、ご無沙汰しております。そうですね、本当に一歩一歩ですが、夢が実現しつつあって嬉しいです。おいしい和菓子を食べるには、やっぱり足を伸ばすなら、日本、高田馬場あたりがいいのですね(ごめんなさい)。またブログやらアルザスやら遊びにいらしてくださいね。お待ちしております!

Unknown さんのコメント...

初めまして。
たまたまこのブログにたどり着きました。
アルザスが好きで先週も行き、又、今週もコルマールとストラスブールへ行く予定です。
一度お伺いしてみたいのですが、お店の詳細などありましたら教えて頂きますでしょうか?

Mandarine さんのコメント...

初めまして。
返事がすっかり遅くなりました。ちょうど日本旅行直前で見落としてしまったみたいです。本当に申し訳ございませんでした。それでもアルザス旅行楽しめられたことを心より祈っています。またご投稿くださいね。