エショ市の職人養成センターは製パン・製菓に関しては、アルザス全体学生数の半部がこの学校に通っている程で、アルザスの中で一番大きな製菓学校です。先生方のプロフィールもそうですが、製菓・製パンの設備はとても充実しています。
以前、フランスでのパティシエ教育制度に触れた際、お話しましたようにフランスではパティシエ(また、他の手工業にかかわる職種もそうですが)になるには「見習い制度」が一般的です。中学校卒業後、現場で「見習い」として働きながら、製菓学校(=職人養成センター)に月一週間通うという教育課程です。ちなみに、基本的な資格は見習い制度ですと、二年課程になり、二年目に試験を受けます。
毎年3月に、この職人養成センターは一日のオープン・デーを開催しています。一般の人にとって、さまざまな職業の内容を深く知るチャンスの他、めったに見ることができないイベントを見るチャンスでもあります。
今年は3月25日でした。
このセンターでは、製菓(アイス・クリーム、チョコ、飴細工部)と製パンのほか、加工肉・肉屋・惣菜屋部、家具製造部門、機械工部門、歯科技工部門、さらにパイプ・オルガン製造部門(国立センター)、工芸部門など多種多様にわたる分野が存在しています。
以前、自分自身が参加していたので、ブースで忙しくて何にも見学できませんでしたが、今回は見学のために行きました。パンとお菓子の作品がたくさん展示され、実技も盛りだくさんで、とても楽しいひと時を過ごしました。
学生と先生のパンの作品 |
イスターも近づいてきましたので、飾りやテーマに卵とウサギが多くなっていました。 |
抽選のチョコの作品。おかしいなあ・・・当たった気がしますが、まだ通知がきていません。 |
ロンドン・オリンピックも遠くはありません・・・。 |
そしてこのセンターにしか見ることができない・・・義歯と砂糖の技術の出会い。 |
このオープン・デーには必ず、と言っていい実技実演があります。
それはアイス彫刻です。
会場に着いたら、まずは「来てくれている」かどうかチェックに行きました。
やっぱり今年も来てくれました!
2006 年チョコレートのコンクール シャルル・プルスト杯で準優勝に輝き、去年始めての外国人としてMOFのコンクールのファイナリストになった、現在『キュブレー』でシェフ・パティシエを務めている浅見欣則さん。
今年も素敵な彫刻に挑戦しました。
コンクールの時と比べて、今日の彫刻のサイズはとても小さいそうです。足から首までは、防水服で覆って、作業を進めています。何よりも、手速さ、そして楽しさが伝わりました。服にしか興味ない(困った)小学生の長女も完全に釘付けで、会場を出てもまたいきたいとせがまれました。
完成品です。
と言っても、まだ作業台の上に移さないといけません。ちょっと(見学者が)緊張する瞬間です。
ご覧になったように、ステンレスの作業台の上ではアイスはちゅるちゅる滑るから、最後に布巾でとめます。
散髪は、作業台に載せてからです。確かによく見えて、やりやすそうですね。
今年もなかなか楽しい彫刻ができましたね。残念ながら、部屋が少し暑くて彫刻の寿命時間は短いと予想されました。
見学者にやさしく応える浅見さん。
いろいろ話しているうち、出身地は・・・埼玉県の飯能ですって。
飯能市民の皆さん、
飯能市出身の方にフランスでこのように活躍されている方がいらっしゃることご存知でしょうか。
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