2012/02/09

ピエール・エルメ氏が和菓子に興味を       『料理通信』(2012年1月号)


先月の『料理通信』をご覧になりましたか?

驚きの記事が載っていました。

エルメ氏が和菓子の勉強に東京赤坂の虎屋本店にいらっしゃった、とのことです。たったの2ページですが、その「和菓子レッスン」の内容、そして「先生」(広報の伊藤郁さん、虎屋文庫の中山圭子さん)と熱心な「生徒」さんのやり取りまで打ち明けてくれています。

和菓子の講座というよりも、「和菓子におけるお米」について知りたくていらしたそうです。虎屋文庫は本店と同じビルにある設備で、和菓子に関連する古文書や絵図帳を保管している資料室です。通常は資料の閲覧機能はなく、随時(大変人気な)展示会と講演を行ったりしますが、和菓子を理解するためのすべての「教材」がそろっているといえます。

その素晴らしい場所で、この和菓子レッスンは、うるち米ともち米の違いから話が進められ、それぞれの米からできる様々な「米の粉」の説明に入ってゆきましたが、そこではエルメ氏でさえ米の粉の奥深さに驚かずにいられませんでした。そのままの米を製粉するものもあれば、水に浸し、乾かしてから製粉するもの、餅にして軽く焼いてから製粉するものなどなど、少しずつ違う食感の和菓子を生み出すための職人の創造性と工夫に感心してしまいます。そして、今日、それらの複数の粉の種類を使いこなしている職人たちにも!

小豆(和菓子職人は「ショウズ」と発音します)ですが、小豆よりも白小豆がエルメ氏の目に留まったようです。さすが珍味に敏感な方ですね。小豆の入ったエルメ氏のマカロンがありますが、これから米の粉、あるいは白小豆を使ったお菓子が生み出されるのでしょうか。楽しみにしております。

エルメ氏も、米の魅力に嵌られたのではないでしょうか。

今月の『料理通信』にもやはり米を学ぶエルメ氏についての取材記事があります。今度は源に遡って、お米を作る農家を訪問したようです。今月も早く読みたいです!バックナンバーが簡単に手に入るネットサービスは、本当に嬉しいです・・・。




和菓子の由来と文化的な背景が分かりやすく説明してある中山圭子さんの本。必ず手の届くところにおいてあります。 年一回刊行の虎屋文庫機関誌『和菓子』も貴重で楽しい論文ばかり。

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