通算すればかなり長い日本滞在の間は、日本パティシエのすばらしいフランス菓子にしか興味がありませんでした。省みればフランス人ながらのフランスかぶれでした。
数年前から、和菓子のよさ、奥深さにふれる機会が多くなって、和菓子に目覚めました。目覚めたどころか、完全にほれてしまいました。
その自覚過程に大いに貢献したのは、東京製菓学校のこの先生との出会いと言えますでしょう。
この機会をきっかけに、梶山浩司先生と再会できること、また先生の授業の様子を覗くことをとても楽しみにしていました。
というのも、これまでの先生との付き合いと言ったら、背景がちょっと違いました。
ちょっとどころか、すっかり違いました。
その自覚過程に大いに貢献したのは、東京製菓学校のこの先生との出会いと言えますでしょう。
この機会をきっかけに、梶山浩司先生と再会できること、また先生の授業の様子を覗くことをとても楽しみにしていました。
というのも、これまでの先生との付き合いと言ったら、背景がちょっと違いました。
ちょっとどころか、すっかり違いました。
ご覧ください。
そうです。
先生がフランス(いや、アルザス!)の学生たちに和菓子について講習会を行っているところです(この時は、アルザス・欧州日本学研究所(CEEJA)主催イベントでした)。和菓子の歴史と伝統、和菓子を作る楽しさを伝えたいお気持ちが海外へ行って講習会を開くぐらい強い活動的な先生です。
今回の私の日本滞在が、ちょうど京都・丹波の大納言の体験収穫の時期と重なり、なかなか都合が合わなかったのですが(というか・・・私も丹波へ行きたかったです!)、二週目にようやく待ちに待った梶山先生の授業を体験することができました。
真空パックに丸ごとのりんごとシロップを入れて、スチーム・オーブンで煮る(=蒸す?)。なぜこの手間を掛けるかと言いますと、皮の綺麗な茜色がりんごの果肉にしみ込み、見栄えがとてもいいのです。
プロセスはまず求肥(蒸し練り法)を仕込むことから始まります。
羽二重粉(=粒子が一番細かい高級餅粉。白玉粉、または餅粉を使うこともあります。)を水で溶き、蒸します。蒸しあがったら、サワリで「地練り」をしてから、砂糖を入れ、そして差し水(このときはお湯を使います)で硬さを調整し練り上げていきます。
その時、粘りがかなりでますので、学生たちも先生の手伝いを望んだりしていました。やはり先生のやり方は違います・・・。
確かに、とても「うまそう」な生地ですね。
左側で先生の「はさみ菊」の技を見守る方、お分かりでしょうね。 |
そうです。
先生がフランス(いや、アルザス!)の学生たちに和菓子について講習会を行っているところです(この時は、アルザス・欧州日本学研究所(CEEJA)主催イベントでした)。和菓子の歴史と伝統、和菓子を作る楽しさを伝えたいお気持ちが海外へ行って講習会を開くぐらい強い活動的な先生です。
今回の私の日本滞在が、ちょうど京都・丹波の大納言の体験収穫の時期と重なり、なかなか都合が合わなかったのですが(というか・・・私も丹波へ行きたかったです!)、二週目にようやく待ちに待った梶山先生の授業を体験することができました。
教室に入ったとき、ちょうど「信濃路」というりんごを使ったお菓子の仕上がりに入っていた段階でした。
やはり和菓子の先生って綺麗な字ですね・・・私が言うのもおかしいのですが、ローマ字よりも落ち着きません? |
信濃路。表面の立体感は上南粉を振って出します。 |
和菓子はフルーツを使わない、味が単調だと、フランス人のパティシエから何回か耳にしたことがありますが、先生のこの授業をきっかけにそれは違うんだと、よく分かりました。
季節のりんごが、実はその日の授業のすべてのお菓子に入っていました。この「信濃路」にはカルバドス酒の風味をつけたりんごのキャラメリゼが餡に入っています。
どら焼きの餡にも気がついたら、りんごが入っていました。それも驚いたことに、違和感もなくどら焼きの香ばしいあの皮とは、とてもマッチします。
そして、もう一つのお菓子、これから紹介する羽二重餅の餡にもりんごがころりと入っています。今度はキャラメリゼでなく、先生が開発した「湯煎りんご」とでも言えるシロップ煮のりんごでした。
真空パックに丸ごとのりんごとシロップを入れて、スチーム・オーブンで煮る(=蒸す?)。なぜこの手間を掛けるかと言いますと、皮の綺麗な茜色がりんごの果肉にしみ込み、見栄えがとてもいいのです。
先生の授業の中で、次に作ったお菓子は羽二重餅です。福井の羽二重餅が有名ですが、今回の羽二重餅の生地にはただの求肥ではなく、雪平生地に近いもの、「半雪平」を使いました。
雪平とは、求肥に卵白(またはメレンゲ)と白餡を加えたものです。ちょうど、教室の一角にはその見本が置いてありました。かなり大ぶりのものでした。鶴ですね。
雪平 |
今回の羽二重餅の生地には白餡を入れないため、半雪平と言います。(白餡か卵白のどちらかが入らないと半雪平と言うようです。)
羽二重粉(=粒子が一番細かい高級餅粉。白玉粉、または餅粉を使うこともあります。)を水で溶き、蒸します。蒸しあがったら、サワリで「地練り」をしてから、砂糖を入れ、そして差し水(このときはお湯を使います)で硬さを調整し練り上げていきます。
その時、粘りがかなりでますので、学生たちも先生の手伝いを望んだりしていました。やはり先生のやり方は違います・・・。
確かに、とても「うまそう」な生地ですね。
それぐらい粘りがでたら、今度はメレンゲを加えていきます。
この卵白と餅の「出会い」ですが、白物同士ではありますが、素質はかなり違います。なんとも言えません。
できあがるのは、羽二重または雪平という名前どおり、キメの細かな、ふわっとたした純白な生地。しかし、粘りが強くて包餡作業がとても大変そうでした。先生も手袋をして生地をちぎって分割するやり方をとりました。(後になって分かりましたが、ヘラ包餡することもあるようです。)
この卵白と餅の「出会い」ですが、白物同士ではありますが、素質はかなり違います。なんとも言えません。
できあがるのは、羽二重または雪平という名前どおり、キメの細かな、ふわっとたした純白な生地。しかし、粘りが強くて包餡作業がとても大変そうでした。先生も手袋をして生地をちぎって分割するやり方をとりました。(後になって分かりましたが、ヘラ包餡することもあるようです。)
先生の模範の後、実習を行う学生もとても上手にどら焼きを焼いていきます。このビデオを撮ってから聞いたんですが、クラスの中でも一番上手に焼く方だそうです。少し安心しました・・・。
「どらさじ」の動きに注目してください。
和菓子の国家試験には、何センチのどら焼きを焼きなさい、などと課題を与えられるそうです。生地の流れる感覚がそれぐらい身についていないといけないわけですね。焼く直前に水で生地を調整しますが、非常に重要なところのようです。泡立て器を引き上げて、「線が瞬間に消える」がポイントみたいです。
こうやって、りんごと粒餡の入ったどら焼きを食べながら、和菓子の体験授業が終了しました。
おかげで、梶山先生の作るお菓子、日本の学生たちに伝えるお菓子に触れることができました。二年生のこともあって、やはり必ずどこか先生なりにアレンジされたお菓子、個性のあるお菓子に重点を置くような気がしました。お菓子作り、本当に楽しそうですね。
ちなみに、後になって聞きましたが、専門学校の中でも、和菓子だけを学ぶ和菓子専門課程(2年制)を設けているのは、東京製菓学校のみだそうです。
本当に貴重な体験をさせていただきました。
本当に貴重な体験をさせていただきました。
どうもありがとうございました。
2 件のコメント:
super, merci...
すごいです。
貴重な取材、いつもありがとうございます!
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